緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
部屋の左側。いつも私が使っている一角で、楓馬君の帰りを待った。
こんなに彼の帰りを待ち望んだことなんてない。

聞きたいのは古賀ちなみについて。
あれから色々考えた。
正直言って、彼女が良い人だとは思わない。彼女にとって私はただただ邪魔なだけ。

だけど、彼女と楓馬君の仲を疑っている自分がいるのも事実。もしも、私が古賀ちなみを頼ってしまったら、楓馬君はなんて言うんだろう。
いっそ飛び込んでみるのあり…、なのかな。

その時は、彼に地獄の果てまで追いかけられる覚悟で出ていかなきゃいけないんだろうけど。

「ただいま。
眠たい…」

ようやく帰ってきたと。
かと思ったらそのままベットにダイブ。

こんなに疲れて帰ってくるなんて珍しい。
どれだけ仕事が忙しかったんだろう。

でも、今だけは、少しでいいから話がしたい。
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