緊急逮捕－独占欲からの逃亡ー

４）逃げ道

「って訳でお願い！しばらく泊めてほしいの！」

昨日のことがあって、屋敷に居づらくなった私。
こういう時に頼れるのは1人だけ。
心の友、ななみんの実家に押し掛けた。

「うっそ！そんなことになってたの？
今からうち来なよ！うちの家族も大歓迎だよ」

簡単に事情を話したら、なぜか少しテンションが上がって、部屋に招き入れてくれた。

「詳しく聞かせてもらおうじゃないの。
結婚を前提に付き合ってるってことでいいのね？」

誰が結婚前提よ。
最初から情報の歪みが生じてる。これは大変だ。

「違うの。
向こうが勝手にそう言ってるだけで、急にあの家での生活が始まったの。
結婚なんて、どうせ向こうも本気じゃないに決まってるよ」