緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「あー、早く結婚したいのに」

もちろん誰ともマッチングを果たすことができなかった私は、そのままバーへと一直線。
朦朧とした意識の中で揺れている薄暗いバーカウンター。

「ねぇ、結婚ってどうやったらできるのかな。
男の人のことが全然わかんない」

2つ離れた席に座った紳士に絡みだしていた。

「結婚したいのですか?」

「そりゃ、もう今すぐにでも。
私のことを好きだって言ってくれる人がいるなら、結婚したいですよ」

「なるほど。
どういった相手でもいいと?」

「そう思ってたんですけど、いざ色んな男性と会ってみると、なんか違う気がして。
私は結婚に向いてないのかも」

「では、こういった男性はいかがです?」

胸ポケットから出されたのは1枚の写真。証明写真のような、綺麗な顔の男性がこちらを見ている。
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