緊急逮捕－独占欲からの逃亡ー
あの男と再会したのは、大学で喧嘩を売られてから数日が経った頃。
駅前を歩いていたクリーム色の髪を発見して、すぐに交番の中に放った。

「もう少し優しくしてくださいよ。
悪いことした人みたいじゃないですかー。

あれ。なんか、イライラしてます？」

あんたにイラついてんだよ。
人前で喧嘩売ってきたんだ。それに、無条件で莉子から構われている。
イラつかずにいられない。

「蒼井さんって、警察官の格好してる方が悪く見えるタイプですよねー。
普段着ならもう少しその加虐心は抑えられるんじゃないですか？いつもはどういう服着てるんです？」

「答える理由ないでしょ」

「2人は付き合ってるんですか？」

「あぁ」

「へぇー」

その目は信じてないな。
こいつはこいつで、莉子のことをどう思ってるんだ？
懐いてるのは間違いないだろうけど、恋愛対象なのか、それともただの後輩からの好意なのか。
< 157 / 248 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop