緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー

3)執行

「夜の分、飲まれたんですね。
どういった心境の変化ですか?」

「心境の変化なんてないよ。
予想外のことが起きたから、その流れに身を委ねてみただけ」

「そうですか。
明日の分も置いておきますね」

今では嘘のように痛みが引ている。
あんなふうに強引に突破してくるなんてさすがに想定外。

最終的には自分の意思でキスしたことにするとはね。
あんなに顔を赤くしておきながらよく言うよ。

咄嗟なことだった。
薬を流し込まれて、すぐに唇が離れそうになったのがわかった。
飲みたくなかったんだから、突き飛ばして、すぐに吐き出せば良かった。
でも、そうしなかったのは、彼女をいじめる方が楽しいと瞬間的に判断できたから。
< 179 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop