緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
まだ鮮明に思い出せる。
驚いて一瞬身を引こうとした彼女の頭に手を回して逃げ場を塞いだ。
息ができないくらいに深い口付けが待ってるなんて、思ってもみなかったろう。

実際、俺だってそこまでの計算はしてなかった。
ただ、そうしたいからそうした。

華奢な彼女を守れなかった自分が憎い。
警察官をしておきながら、本当に守りたい女性1人この手で守れないなんて。

絶対に許さない。
彼女を傷つける者がいるなら、俺がこの手で排除する。

「神谷、犯人はどうなった?」

「拘束してありますよ。
警察に引き渡すこともできますが如何いたしましょう」

「警察?そんな楽な道選ばせてなんかやらないよ。
間に合ったから良かったものの、少しつくのが遅れてたら莉子が大怪我してた。下手したら死んでたかも。

復讐してもし足りないくらいだよ」
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