緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「私と結婚したらいいんじゃない?
そしたらあの子に危害は加えない」

「は?その話は断ったろ」

「相性良いはずよ。私たち。
心の相性も、体の相性も」

そう言って、容赦なく俺の左手首をステッキで突く。
神経がきりきりと痛む。

「ふざけんな!」

「あーあ。
寝たきりの状態にまでなってくれてれば、私が丁寧に看病できたのに。
どんなお世話も手伝ってあげるつもりだったのよ?

これだけ自由に動き回られちゃうと、寝込みを襲うのも難しそうね」

「とんだサドだな。

だけど、この状態の俺に夜這いをしかけてきた。
それくらいぶっ飛んでるのが莉子だよ。

彼女は、俺のこと嫌ってるから反抗心が手に取るようにわかるんだよね。
でもそんな顔されるといじめたくなるに決まってるだろ?
良い反応すんだよね、これが。
でも、それは俺だけの物。
他の奴に手すら触れさせたくない。

だから…、お前なんかとは比べものにならないくらい大切なんだよ」

この女の場合、物理的な攻撃よりも心を抉ってやったほうがよっぽど効果がある。
そのためなら、いくらでも惚気てやる。
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