緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー

4)仲直り

なぜ…。

なぜ、私は今、この人と一緒にいるんだろう。

「今までの私の努力ってなんだったのかな。
楓馬って、とにかくモテるでしょ?だからあんなひねくれた性格になったんだろうけど、ちょっとかわいそうなところもあるのよ。

顔とか家柄が良いと、やっぱりそこに注目がいくでしょ?
だれも楓馬そのものを見ようとはしないのよ。
彼に歯向かおうとする人間がまず限られてくるわね。

私はその数少ない人間の内の1人だったから、それなりに仲良くなれたんだけど、やっぱり彼の目には嘘だと映ったみたい。
誰が彼をものにするのか。
女のプライドを賭けた勝負みたいになってたのよね。その景品が楓馬ってところかしら。

多くの愛を受けながら、誰よりも愛に飢えてるのよね、きっと」

なぜ、この人は平気な顔してこんなにも長く話を続けてるの…?
いや、さっき、謝罪をしに来たと言って、一応頭を下げられたんだ。
「これ以上楓馬を怒らせると面倒だから」なんていう、とても他人任せな謝罪だったけど。
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