緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
まぁ、最後の一文は置いておくとして、この時期の寒さに腕を組む。ただ立っているだけの楓馬君は、見てるだけで冷え込んでくる。

「あ、そうだ。これあげますよ。
さっきくじ引きでもらったんです。ホットコーヒーです」

「俺、職務中なんだけど」

「社会人みたいなこと言いますね」

「れっきとした社会人だ」

なんて言いながら、しれっと缶コーヒーを受け取ってる。

結局飲むんじゃん。

大学祭。
浮かれた学生が、いつもよりもさらに浮かれれる年に1回の素晴らしい時間。あちこちでナンパも横行しているらしい。
こうなると心配なのは私よりも楓馬君の方。

この前大学に来てから、より彼の知名度は上がってる。
構内を歩いたら、注目の的になるに違いない。
間違って彼に声をかけたら大変なことになる。声をかけた側が。
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