緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「楓馬さん!待ってましたよ!」

何もしなければ、女性だと思いそうなこの男。
今日は特に、女性にしか見えない。

「なんだよ、わざわざ呼び出して」

植田淳。
莉子がなんと言おうと、この男は侮れない。
かわいがりたくもなるけど、こいつの莉子への付き纏い方は要注意。

「どうですかー?
これ全部莉子さんと選んだんですよ。おかげでグランプリ獲れましたよ。
ちょっと予想通りすぎなところもありますけどねー」

「女装の感想を求めるために呼び出したんじゃないだろうな」

「ですね。
ちゃっちゃと本題に入りますね。

少し前に、莉子さんの腕に傷ができてたんです。
理由を聞いても莉子さんは話したくなさそうだったんで、それ以上聞くのはやめたんですけど…。
古賀ちえみが関わってたんですね。ってことは、楓馬さんも間接的に関わってるってことですよね?
彼女はあなたの熱狂的な信者じゃないですか。

楓馬さんは、莉子さんのこと守れなかった。
古賀ちえみに嫌がらせを受けてたのに気づきもしないで、莉子さんが大怪我するところだったんでしょ?

楓馬さんに、莉子さんは任せられないですよ」

ほら。
どこからどう見ても男の目。
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