緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「壁ドン、初めてされました」

「渡さないよ」

植田も一切目を逸らそうとはしない。
なんで変に気の強い奴が俺の周りには集まってくんのかな。

その辺の万引き犯ならすぐに心が折れるのに。

それにしても、どうしてやろうか。
大学に行けばこの熱狂的なまでに莉子を崇拝する男。
そして、また別の問題が目の前に落ちてこようとしてる。

いよいよ覚悟を決める時が来たってことなんだろうね。
こんなふうに取り合ってることを莉子が知ったら、何て言うんだろう。

俺と植田の対立を莉子が知ったら、どういう反応するんだろうな。
こういうときでも、植田の味方につくのかな。

でも…。
それでも、今回ばかりは譲れないね。
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