緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「違うでしょ。
父さんにだってお嫁さんって言われてたじゃん。まんざらでもなかったくせに」

う、うるさいな!

「楓馬さん、ご結婚されるんですか?」

だーかーらー!
お願い。この話はこれ以上広げないで!

ちょっと。動かないでよ。
隠れられなくなっちゃうでしょ!

「…莉子?」

はぁぁ…。
今すぐ塵となって飛んで消えてしまいたい。

「お、お久しぶりです」

声が震える。なんなら手も震える。
茅ヶ崎さんに対して気まずいのはもちろんなんだけど、それよりも隣で氷のような目を向けている悪魔が怖い。
彼の方を見れない。
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