緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
楓馬君は彼氏でもなんでもないんだし、不機嫌になられても困るよ。
彼に対しての順応性が上がってきた今では、どういうことをしたら彼が不快になるのかわかってきてる。
独占欲らしきものを私に向けている今、元彼の話なんてもってのほか。
そんなことはわかってる。

私が引っかかってるのは、なんで彼が怒るかって点じゃない。
彼が怒るであろうことを当然として受け入れてる私だ。

彼氏にしちゃいけないことを、楓馬君にしちゃいけない。
それが、私の中で常識と化してきている。

毒されてる…。

「あの男には何もしない。
でも、あんたにはその約束できないから。

マーキングでもしておこうかな」

「…マーキング?」

この黒い笑み。
本能的に感じる危険。
こういうときは、何も考えずに逃げる一択。
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