緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「昔は、海外での仕事てものがよくわからなくて、ついていくのに精一杯だった。
そのせいで、俺たち、疎遠になってしまたんだよな…」

長い沈黙。

このまま茅ヶ崎さんが続けるのを待つべきか、それとも何もないなら戻ると言って立ち去るべきなのか、私にはわからない。
どうするべきなのかも、どうしたいのかも。

「その、俺たち…。
いや、なんでもない。
結婚するんだね。お幸せに」

「…ありがとう」

言葉にならないほど大きな切なさに襲われる。
違う。
こんな顔をさせたかったんじゃない。
見返したかったけど、こんなのって…。
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