緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー

こんな時に限って楓馬君がいない。
夜遅くにならないと帰ってこないらしい。

だからって、この状況はいかがなものか。
廊下での会話を終えて、そのままもう話すことはないくらいの気持ちでいたというのに。
何がどうなったら、こんなことになるっていうんだ。

「藤田さん?大丈夫?」

「なんとか…」

私は、真っ暗な部屋で茅ヶ崎さんと2人きりになっていた。

「この嵐だと、すぐには復旧しそうにないな。しばらくは真っ暗なままってことか。
パソコンも使えないし、今夜の仕事は一時中断かな」

外は強い雨風が吹き荒れていて、電気の供給もままならないらしい。
楓馬君が駆り出されてるのもそのせい。
かなり行くのを渋ってたけど、最終的には、事故現場に直行した。
< 231 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop