緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「俺も立候補しようかな。莉子の結婚相手に。

まだ、可能性があるなら、明日付いてきてほしい。アメリカで一緒に暮らそう」

「え…」

戸惑いをさえぎるように、部屋が明るくなった。
外は相変わらず雨風がうるさいけど、電気は回復したらしい。

茅ヶ崎さん、部屋着姿だったんだ。まぁ、私もなんだけど。
この時間ならそれもそうか。
当然のことだってわかってても、目を泳がせてしまう。

だって、茅ヶ崎さんがうちに泊まった時のことが勝手に思い出される。

「一晩考えてみてほしい。
結婚するって言ってる莉子にこんなこと持ち掛けるのは非常識だってわかってるけど、もう後悔はしたくないんだ」

後悔は、したくない。それは私だって同じ。
だけどそんなの、どうしたらいいの…。
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