緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「あれ?」

すると、面倒くさそうに会話の相手をしていた彼が、私に気が付いた。
一瞬驚いた顔を見せたが、すぐに寄ってきた。

「どうしたの?こんなところで」

「どうもこうもないんですよ。
これを届けに来たんです」

「あんたが届けに来たんだ。
良かったー、間に合って。失くしたことが先輩にバレたらまずいんで。
もう少ししたら俺も帰るから、その辺で待っててよ」

「私、帰りますよ。
自分の家に」

「あー、そう。
じゃ、一回あんたの家見てうちに戻って来なよ」

は?
なんでそんなことしなくちゃいけないのよ。意味わからないでしょ。
< 31 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop