緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
「失礼します」

「またあとで」

あとでなんてないでしょ。
でもそんなことは口に出さずに社交辞令の笑顔を交わした。

「反省しました?
もうお酒は控える、暴れないって誓うなら外してあげますよ。
俺はどっちでも構いませんから。もう少ししたら帰るので、あとは1人での反省タイムになりますがね」

わざとらしく優しくした声が後ろから聞こえてくる。
鍵をなくして困ってたとは思えない。
むしろ手錠をかけられた酔っ払いを見て楽しんでいるようにすら思える。

はぁ。
もう関わるべきじゃないな。
あんな人が警察官なんて、世も末だって。

ぶんぶんと頭を振る。
昨日今日のことは全部忘れよう。
明日からはまた普段の生活を送るんだ。
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