緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー

「ですから、…。
楓馬様のせいですよ」

「はい50センチ近寄ったー」

うわ!
あれ、本気だったの?

「ま、待って待って。
今は、だって、掃除中ですから。
使用人として掃除してますから。
呼び方は楓馬様で間違ってないはずです」

「はい、また50センチね。
あんたは使用人じゃなくて俺の結婚相手でしょ。
屋敷の仕事をしてたとしても、肩書は使用人じゃない。
俺が認めない。

じゃ、そろそろ行かないと、先輩に怒られるから。
行ってきまーす」

深々と頭を下げる咲さんの前を、颯爽と通り過ぎていった。

なによ。
言いたいことだけ言って。
結婚相手だって、そっちが勝手に言ってるだけじゃない。
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