緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー
5.女子大生の日常

1)予期せぬバトル

「あの…」

さっきから何度も声をかけてるのに振り向きもしない。
黙々と朝食を食べている。

「聞こえてますよね。なんで無視するんですか」

「…」

返事が返ってこない理由はわかってる。
徹底的にやり合うつもりか。大人気ないんだから。

あー、もう!時間がないっていうのに。
こうなったら、私が折れるしかない。ここは大人になって譲歩しよう。

「あの、楓馬君」

呼ぶ慣れないその名前を口にした。
すっごいムズムズするんだけど。

「なに?」

今初めて呼ばれたと言わんばかりに、素っ気ない態度。
まぁ、いい。
ここでいちいちやり合ってる時間だって、本当はないんだから。
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