緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー

「あ、待って」

玄関を出ようとすると、後ろから楓馬君が追いかけてきた。

「何でしょう?」

「俺も出勤。行くよ」

「はい?」

まさか、一緒の電車で大学に向かうなんて想定外。
いつもは神谷さんに送ってもらってるっていうのに。わざわざ一緒に電車通勤しなくても。

「意外といいかもな」

「何がいいんですか」

「この車両で問題が発生したらすぐに犯人を捕まえられる」

あれ、そんなこと考えるんだ。
問題を想定するなんて、警察官らしいところもあるんだ。

なんて、ちょっとだけ関心。
< 75 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop