私の中におっさん(魔王)がいる。~毛利の章~
第十四章・死
私は、雪村くんと長い間お喋りをしていた。
倭和で別れた後はどんなだったかという話から始まり、国々やドラゴンの話まで。それこそ色々だ。
三条家は代々流浪の旅をしているらしく、各国の様々な様子が聞けて楽しかった。
お喋りは尽きないと思っていたんだけど、夕方になって毛利さんが帰宅した。
「お帰りなさいませ」
侍女さんの声が廊下から聞こえてきた。
「毛利さんもう帰ったんだ。今日は早いな」
私が呟いて立ち上がると、雪村くんも立ち上がった。
「ああ、良いよ。座ってて。毛利さん呼んでくるから」
「そう? じゃあ、そうするよ」
雪村くんはそう言って着席した。
私は部屋を出ると、廊下にいた毛利さんを呼び止めた。
「毛利さん!」
「なんだ?」
「今、お客さんが来てて、誰だと思います?」
「……」
毛利さんは微かに眉を顰める。
そういうメンドイのは良いから、さっさと言え! って、顔ね。
はい、はい。分かりましたよ。
「ちぇ。つまんないのぉ!」
思わずぼそっと呟くと、毛利さんが僅かに眉を跳ね上げた。
私は苦笑を返して、
「雪村くんですよ。三条雪村くん!」
「なに?」
毛利さんの表情が曇った。僅かと言う感じだけど、能面が標準だとすると、かなり顔色が変わった部類だ。
その変化に、私は少し不安になった。
なんか、まずいことでもあるんだろうか?
毛利さんは何も言わずに、応接間の襖を開いた。
「久しぶりだな。三条雪村」
「久しぶり~。毛利さん!」
倭和で別れた後はどんなだったかという話から始まり、国々やドラゴンの話まで。それこそ色々だ。
三条家は代々流浪の旅をしているらしく、各国の様々な様子が聞けて楽しかった。
お喋りは尽きないと思っていたんだけど、夕方になって毛利さんが帰宅した。
「お帰りなさいませ」
侍女さんの声が廊下から聞こえてきた。
「毛利さんもう帰ったんだ。今日は早いな」
私が呟いて立ち上がると、雪村くんも立ち上がった。
「ああ、良いよ。座ってて。毛利さん呼んでくるから」
「そう? じゃあ、そうするよ」
雪村くんはそう言って着席した。
私は部屋を出ると、廊下にいた毛利さんを呼び止めた。
「毛利さん!」
「なんだ?」
「今、お客さんが来てて、誰だと思います?」
「……」
毛利さんは微かに眉を顰める。
そういうメンドイのは良いから、さっさと言え! って、顔ね。
はい、はい。分かりましたよ。
「ちぇ。つまんないのぉ!」
思わずぼそっと呟くと、毛利さんが僅かに眉を跳ね上げた。
私は苦笑を返して、
「雪村くんですよ。三条雪村くん!」
「なに?」
毛利さんの表情が曇った。僅かと言う感じだけど、能面が標準だとすると、かなり顔色が変わった部類だ。
その変化に、私は少し不安になった。
なんか、まずいことでもあるんだろうか?
毛利さんは何も言わずに、応接間の襖を開いた。
「久しぶりだな。三条雪村」
「久しぶり~。毛利さん!」