私の中におっさん(魔王)がいる。~雪村の章~
第七章・息吹く
その日の夕方、雪村がゆりの部屋を訪ねてきて、今日はいけないと告げた。
その様子がどこか気落ちしているように思えて、ゆりは入室を促したが、雪村は首を横に振って、そのまま踵を返そうとしたので、なんとなく可哀想になって声をかけた。
「ちょっと待って」
雪村は捨てられた犬のように哀しげな瞳で振り返ったので、ゆりは思わず優しく笑みを返した。
「ねえ、やっぱりどこか行こうよ」
「え?」
小さく驚いた雪村だったが、ゆりが促すような目つきで見ると、嬉しそうに頷いた。
「うん」
その様子がどこか気落ちしているように思えて、ゆりは入室を促したが、雪村は首を横に振って、そのまま踵を返そうとしたので、なんとなく可哀想になって声をかけた。
「ちょっと待って」
雪村は捨てられた犬のように哀しげな瞳で振り返ったので、ゆりは思わず優しく笑みを返した。
「ねえ、やっぱりどこか行こうよ」
「え?」
小さく驚いた雪村だったが、ゆりが促すような目つきで見ると、嬉しそうに頷いた。
「うん」