何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】
「なんで、花火やねん!」
「りん?」
その独特なしゃべり方のイントネーションに心辺りがあったのは、天音の方だった。
「なんで、こんな山奥に来なあかんのや!」
そこに現れたりんは、なぜか怒っているようで、そんな不満を叫びながら、当たり前のように、天音達に近づいて来た。
「クス。だってあなたも見たいでしょ。」
そして、そんな不満をブツブツつぶやきながら、歩いているりんの後ろには、さっき別れたはずのかずさが居た。
「あれ?二人して、どうしたの?」
「どうも、こうもあらへん!かずさが、どうしてもついて来いってゆーから!」
りんはどうやら、かずさに連れられてここまで来たらしい。
しかしその山道はそうとう険しかったのか、疲れ果てたりんは、月斗の小屋の前の芝生に座りこんだ。
「何なんだよ、お前ら!」
月斗は、また警戒したように、彼らを睨む。
この小屋の場所が天音だけならまだしも、他の者にもバレたとなると話は違う。
「へ?なんでお尋ね者がおるんや?」
りんは、やっと今頃になって、月斗のその姿を捉えて目を丸くした。
どうやらりんは、ここが月斗の小屋だという事は知らずに、ここまで来たようだ。
「また、花火上げてたんでしょう?」
「そうだよ!二人も見た?」
しかし、かずさはそんなりんの言葉は一切無視し、いつもと変わらず涼しい顔で、月斗に向かって尋ねた。
しかし、そのかずさの問いに答えたのは、間近て花火を見て興奮している、天音だった。
各々が自由に発言をしだすこの空間に、さすがのりんもお手上げで、顔を引きつらせていた。
「でも、お楽しみはこれからよ。」
「へ?」
そしてまたかずさは、天音の質問に答える事はなく、自由な発言は続いていくようだ。
しかしその言葉の意味を、天音はすぐには理解できず、間抜けな声が口から飛び出た。
ガサ
「ほら来た。」
辺りに響き渡った、落ち葉の音を聞いて、かずさが微かに口端を上げた。
「りん?」
その独特なしゃべり方のイントネーションに心辺りがあったのは、天音の方だった。
「なんで、こんな山奥に来なあかんのや!」
そこに現れたりんは、なぜか怒っているようで、そんな不満を叫びながら、当たり前のように、天音達に近づいて来た。
「クス。だってあなたも見たいでしょ。」
そして、そんな不満をブツブツつぶやきながら、歩いているりんの後ろには、さっき別れたはずのかずさが居た。
「あれ?二人して、どうしたの?」
「どうも、こうもあらへん!かずさが、どうしてもついて来いってゆーから!」
りんはどうやら、かずさに連れられてここまで来たらしい。
しかしその山道はそうとう険しかったのか、疲れ果てたりんは、月斗の小屋の前の芝生に座りこんだ。
「何なんだよ、お前ら!」
月斗は、また警戒したように、彼らを睨む。
この小屋の場所が天音だけならまだしも、他の者にもバレたとなると話は違う。
「へ?なんでお尋ね者がおるんや?」
りんは、やっと今頃になって、月斗のその姿を捉えて目を丸くした。
どうやらりんは、ここが月斗の小屋だという事は知らずに、ここまで来たようだ。
「また、花火上げてたんでしょう?」
「そうだよ!二人も見た?」
しかし、かずさはそんなりんの言葉は一切無視し、いつもと変わらず涼しい顔で、月斗に向かって尋ねた。
しかし、そのかずさの問いに答えたのは、間近て花火を見て興奮している、天音だった。
各々が自由に発言をしだすこの空間に、さすがのりんもお手上げで、顔を引きつらせていた。
「でも、お楽しみはこれからよ。」
「へ?」
そしてまたかずさは、天音の質問に答える事はなく、自由な発言は続いていくようだ。
しかしその言葉の意味を、天音はすぐには理解できず、間抜けな声が口から飛び出た。
ガサ
「ほら来た。」
辺りに響き渡った、落ち葉の音を聞いて、かずさが微かに口端を上げた。