何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】
あくる日
「士導長様!!」
天音がすごい剣幕で、士導長に詰め寄った。
「天音?どうしたんじゃ?今日はずいぶん威勢がよいな。」
そんな天音とは対照的に、士導長はいつものように、穏やかに天音に笑いかけた。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
天音は全速力で走って来て、息を切らしているため、言葉がなかなか出てこない。
「お、お願いがあります!!」
そして、勢いよく、天音は頭を下げた。