何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】

「まったく!このお坊ちゃんは、よけいな事ばかり!!」

その頃城では、宰相の怒鳴り声が響き渡っていた。

「医者は!」
「い、今様子を見ております。」

すぐ様京司は城へと運ばれ、城で用意した医者に診てもらっているが、京司はまだ目を覚まさない。

「こんな事、絶対に民衆に知られてはならない。」
「…もちろんです。」
「傷ひとつなく直せ!!」

宰相の怒りは、一向に収まる様子はなかった。
いつもいつも勝手な事ばかりして問題を起こす彼に、宰相は今日という今日は我慢ならなかった。

天使教は神。
天使教が怪我を負うなんて、意識不明なんて事は、この国ではあってはいけない。いやあり得ない事なのだ。


――――それがこの世の掟


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