何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】
「着いたーー!」
温かい太陽の光と心地よい風を感じ、天音がそっと目を開けた。
するとそこには、今まで見たこともない大きな町が広がっていた。
そんな景色に天音は圧倒されながら、また歓喜の声を上げた。
「んな、アホな…。」
彼はというと、あんぐりと口を開けたまま、天音のすぐ後ろに立っていた。
「早かったね!」
「…そやな!」
そんな驚く彼にお構いなしに、天音は彼の方へと振り向いてそう笑った。
それに答えるように、彼もコロッと表情を変えて、何事もなかったかのように笑った。
どうやら彼は、その場の空気を読むのが得意のようだ。
「さ、てと!じゃあ、私は早くお城に行かなくちゃ。」
「あ、待ち!」
天音はとりあえず先を急ぐことにした。なぜなら、自分がこの城に到着したのが、最後のような気がしてならないからだ。
しかし、そんな天音を彼が急に呼び止めた。
「姉ちゃん、名前は?」
「え?天音だよ!あなたは?」
「わいは、りんや。」
彼は唐突に天音に名前を尋ねた。
それはきっと、また彼女に会う事を予感したからかもしれない。
「ま、がんばりやー!」
「オッケー!!」
そう言って彼は、またニッと笑って見せた。
その笑顔に元気よく答えた天音は、彼に手を振り、城へと走り出した。
りんは、天音のその背中を、見えなくなるまでじっと見送った。
温かい太陽の光と心地よい風を感じ、天音がそっと目を開けた。
するとそこには、今まで見たこともない大きな町が広がっていた。
そんな景色に天音は圧倒されながら、また歓喜の声を上げた。
「んな、アホな…。」
彼はというと、あんぐりと口を開けたまま、天音のすぐ後ろに立っていた。
「早かったね!」
「…そやな!」
そんな驚く彼にお構いなしに、天音は彼の方へと振り向いてそう笑った。
それに答えるように、彼もコロッと表情を変えて、何事もなかったかのように笑った。
どうやら彼は、その場の空気を読むのが得意のようだ。
「さ、てと!じゃあ、私は早くお城に行かなくちゃ。」
「あ、待ち!」
天音はとりあえず先を急ぐことにした。なぜなら、自分がこの城に到着したのが、最後のような気がしてならないからだ。
しかし、そんな天音を彼が急に呼び止めた。
「姉ちゃん、名前は?」
「え?天音だよ!あなたは?」
「わいは、りんや。」
彼は唐突に天音に名前を尋ねた。
それはきっと、また彼女に会う事を予感したからかもしれない。
「ま、がんばりやー!」
「オッケー!!」
そう言って彼は、またニッと笑って見せた。
その笑顔に元気よく答えた天音は、彼に手を振り、城へと走り出した。
りんは、天音のその背中を、見えなくなるまでじっと見送った。