何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】
次の日

妃候補が、一旦里帰りできる事が、早速士導長の口から妃候補へ報告された。

「やったー!!」

そしてなぜか、その知らせを聞いた華子が、真っ先に一番大喜びした。

「…。」

しかし、そんな華子とは正反対に、星羅はいつものようにクールで無反応。

「やったね!天音!天音の気持ちが届いたんだね。」
「え…。うん…。」

そして、それを一番に望んでいた当の本人はというと、まさか、京司の言っていた事が本当に現実になるなんて思わなくて、驚きを隠せずにいられなかった。

「どうしたの?もっと喜びなよ!」
「え、うん。そうだね!」

驚きの方が勝ってしまっていた天音は、華子に促されて、なんとか喜びを引きずり出してみた。

「詳しい事はまた明日伝えよう。今日はここまで。」

士導長はそう言って、今日の授業を締めくくった。
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