何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【前編】
次の日
「もー、びっくりしたよ!」
「ごめんなさい…。」
天音は昨日倒れてから、次の日の朝まで、ぐっすり眠り続けた。
そして、今朝目覚めたばかりの天音の体調は、もうすっかり良くなっていた。
華子もそんな天音を見て、ホッと胸を撫でおろした。
「あんなにフラフラしてたのに、外に出て来るなんて、そんなに見たかったの?」
「…うん。まあ…。」
華子は、そんなに天音が即位式を見たがってたなんて、思いもしなかった。
天音自身も、華子に昨日の出来事について聞いたところで、熱のせいとはいえ、無意識にあんな行動に出た自分に驚いていた。
天音は正直、城の外に出てからの出来事は、意識も朦朧《もうろう》としていて、あまり覚えていなかった。
「まあ、星羅も食い入るように見てたし!あ、でも結局顔は見れなかったけどー。」
「私は別にそんなんじゃ。」
華子は、また不満気に口を尖らせた。どうやら、華子は天使教の顔が、相当気になっているようだ。
そして、華子に茶化された星羅は、気分を害したのか、プイッと窓の外の方を見た。
「そっか、あんまり見えなかったんだね…。」
天音も華子同様に、どこか残念そうにつぶやいた。
「そ!人すごいし、顔には布かかってたし。まったく結局人は顔だっつーのにー。」
華子の結婚の条件はどうやら顔らしい。
「もー、びっくりしたよ!」
「ごめんなさい…。」
天音は昨日倒れてから、次の日の朝まで、ぐっすり眠り続けた。
そして、今朝目覚めたばかりの天音の体調は、もうすっかり良くなっていた。
華子もそんな天音を見て、ホッと胸を撫でおろした。
「あんなにフラフラしてたのに、外に出て来るなんて、そんなに見たかったの?」
「…うん。まあ…。」
華子は、そんなに天音が即位式を見たがってたなんて、思いもしなかった。
天音自身も、華子に昨日の出来事について聞いたところで、熱のせいとはいえ、無意識にあんな行動に出た自分に驚いていた。
天音は正直、城の外に出てからの出来事は、意識も朦朧《もうろう》としていて、あまり覚えていなかった。
「まあ、星羅も食い入るように見てたし!あ、でも結局顔は見れなかったけどー。」
「私は別にそんなんじゃ。」
華子は、また不満気に口を尖らせた。どうやら、華子は天使教の顔が、相当気になっているようだ。
そして、華子に茶化された星羅は、気分を害したのか、プイッと窓の外の方を見た。
「そっか、あんまり見えなかったんだね…。」
天音も華子同様に、どこか残念そうにつぶやいた。
「そ!人すごいし、顔には布かかってたし。まったく結局人は顔だっつーのにー。」
華子の結婚の条件はどうやら顔らしい。