私の中におっさん(魔王)がいる。~花野井の章~
第十六章・帰国
アニキを諦めよう。
彼やみんなの話を聞いて、私は決心した。
だって、柚さんの事を話すアニキは、本当に、優しく、暖かい眼差しだったから。
(私を通して見ていたのは、彼女だったんだな)
これで、私は帰る道だけを模索する事ができる。前を向くことが出来る。割り切ろう。断ち切ろう。
私は自分に言い聞かせた。
涙がこみ上げそうになったけど、堪えた。
私は、自室の中で、もうすっかり明るくなった空を見上げながら、大きく息を吸った。
(アニキ……この呼び方も、もうやめなきゃ)
彼やみんなの話を聞いて、私は決心した。
だって、柚さんの事を話すアニキは、本当に、優しく、暖かい眼差しだったから。
(私を通して見ていたのは、彼女だったんだな)
これで、私は帰る道だけを模索する事ができる。前を向くことが出来る。割り切ろう。断ち切ろう。
私は自分に言い聞かせた。
涙がこみ上げそうになったけど、堪えた。
私は、自室の中で、もうすっかり明るくなった空を見上げながら、大きく息を吸った。
(アニキ……この呼び方も、もうやめなきゃ)