私の中におっさん(魔王)がいる。~花野井の章~
第七章・王子三人 前

 なんだか、私の中で、アニキ像が崩れていってる気がする。
 月鵬さんが帰ってから、私はひっそりとため息をついた。

 結婚してたってだけでも驚きだったのに、離婚していて、しかも相手は六人いて、慰謝料で財産使い果たして、それどころか、浮気までしていただなんて。
 奥さんが六人もいて、まだ足りないのかな。

 私は呆れた気持ちで、部屋の窓から庭を眺めた。
「どこか行こうかな」
 日はまだ高い。
 私は気分を変えるために、出かけることにした。
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