私の中におっさん(魔王)がいる。~風間の章~

 * * *
 
 部屋は洋風の部屋で、なんとお風呂がついていた!
 六畳程の大きさの部屋に入ると、すぐにカーテンで囲われた四角い場所があり、その中にお風呂はあった。

 薄汚れ、ヒビの入った陶器の浴槽に、多分、おそらくドラクルの鱗だと思われるものが五枚置いてある。水吸筒の鱗とは比べ物にならないくらいに大きい。十センチくらいある。どれもみんな、パンパンに膨らんでいた。

 きっと、これを押せば、お湯が溢れ出てくるはず! あ~! 嬉しいな! ちょっと休んだら早速入ろう!

 テンションが上がったままドアとは反対側のカーテンを開けると、その先にベッドがあった。
 天蓋はついてないものの、アンティーク風なベッドに更にテンションが上がる。

(ステキすぎる!)

 バフッ! と、ベットにダイビング! すると、モワアア! と、埃が舞った。

(……マジか。掃除くらいしようぜ?)

 永では床は汚かったけど、寝具はキレイだったんだな。だって、埃が立ったことなんてなかったもの。
 どおりで一度も虫に刺されなかったわけだ。

(……今度は射されるかも)
 じとりとマットレスを見やる。
 掃除用具、貸してもらおうかな?
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