御坂くん、溺愛しないで。
「まあいいや、お腹空いたからご飯食べよ」
「うん!」
琴葉のひと言で私は自分の席から持ってきた椅子に座る。
そしてお弁当と水筒を机の上に置いた途端、琴葉が『あっ』と声を上げた。
「琴葉?どうしたの?」
「忘れてた、私今日水筒持ってきてないの」
「あっ、それは大変だ。
私の飲む?」
「それだと咲の分がなくなるよ。
せっかくだしジュースでも買いに行ってもいい?」
「食堂!?」
琴葉の誘いに、思わず大きな反応をしてしまう私。
「プリンでも買うの?」
「買いたい…!
ここのミルクプリン、とても美味しいんだ」
基本お母さんがお弁当を作ってくれるため、食堂はあまり行かない私。
けれど何回か行ったことがあり、食堂で売っているミルクプリンがたまらなく美味しいのである。