御坂くん、溺愛しないで。
それにたまに食べることで、特別感を味わえるからいいのだ。
「琴葉、早く行こう!」
「はいはい。もー、さらに機嫌よくなっちゃって」
ただでさえ気分が良かった私だったけれど、琴葉の言う通りさらに上機嫌になったのである。
さらに不思議なことに、食堂まで歩いている間いつも気になる視線がまったく気にならなかった。
今までは視線を感じると、気にして神経をとがらせてしまうため余計に自分をしんどくさせていたようだ。
「うわっ、結構並んでる。
これだと時間かかりそうだね」
そして食堂に着くなり、琴葉は眉をひそめた。
それぐらい食堂が混んでいたのだ。
「頑張って並ぼう琴葉!」
「わかってるよ、そんな嬉しそうに笑って」
「へへっ、仕方ないよ。
ミルクプリンが私を待ってるからね!」
ミルクプリンはすぐ近くにあるのだ。
ここで諦めるだなんて絶対に無理である。