御坂くん、溺愛しないで。



「なあ理玖、お前が必要なんだよ。
過去は過去で割り切ってバスケ部に入れよ」

「すみません、俺だとチームの輪を乱してしまうので無理です」

「それだとお前、いつまで経っても前に進めないままだぞ?」


真っ先に視界に映ったのは、御坂くんと筧くんの姿である。

御坂くんは食堂で食べ物を買ったあとなのだろう、パンが入った透明の袋をぶら下げて筧くんを無表情で見つめていた。


その後ろには御坂くんの同期であろう一年生が戸惑った表情をしている。

一方筧くんはひとりのようで、どうやら御坂くん目当てでここに来たのだろう。


それも多分、バスケ部の勧誘だ。
この間も確かバスケ部に入って欲しいと言っていた。

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