御坂くん、溺愛しないで。



もし朝の時間すら嫌だと思われていたらどうするんだ。


「じゃあこのまま何もせずに終わっていいの?」
「うっ…」

「理玖のために何かしたいと思ったのは咲なんでしょ?」

「……うん」


琴葉の言う通りだ。

何かしたいと思っていても、行動に移さなければ意味がない。


「じゃあ決まりね、早速理玖を誘うわよ」
「え、今…?」

「今!どうする?一緒にお昼食べるか、一緒に帰るか。それともふたつとも?」

「そ、それは迷惑だよ!」


さすがにそこまで御坂くんの時間を奪うのは良くない。


「じゃあどっちにする?」
「う…じゃあ帰り、で」


もし一緒にお弁当を食べるとなれば、周りの目が気になってしまう。

なんせ相手はかっこよく、優しい御坂くんなのだ。

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