御坂くん、溺愛しないで。



「さすが理玖ね、あいつ。
咲をこんなんにするなんて」

「へ…」
「ほら、早く靴履き替えて。行くよ?」

「あ、待って…!」


琴葉に催促され、急いで下靴に履き替えた。

そして琴葉の後ろをついていき、もう一度御坂くんの元へと行く。


「琴葉さん、こんにちは」
「やっほ!今日はいきなり電話してごめんね?」


まったく反省していない様子で、ニヤニヤしながら謝る琴葉。


「大丈夫です、気にしないでください」

けれど御坂くんはイラつきもしなかったようで、平気そうにしている。

本当に心が広い人だ。


「じゃあ帰ろっか。
咲はコンビニ寄るんだよね?私も寄ろうかな」

「えっ…」


琴葉の言ったことに対して私は驚いたけれど、声を上げたのは御坂くんだった。

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