御坂くん、溺愛しないで。



「えっ、と…」
「じゃあ邪魔者は退散しようかね」

「琴葉さん、もしかしてわざと…」

「もうあんたたち純粋すぎてかわいいわぁ。
じゃあね、また明日」


御坂くんも頬をほんのり赤く染めたところで、琴葉は私たちに背中を向けて歩き出してしまった。

どうやら琴葉はわざと一緒に帰ると言ったらしい。


「あー、琴葉さんにはめられた…」
「えっと、御坂くん…」

「すみません、ちょっと恥ずかしいんで俺の顔見ないでほしいです」

「は、はい!」


御坂くんの言うことを聞くため、私は慌てて顔を背けた。


けれど少し気になる。

恥ずかしがっているということはつまり、御坂くんは照れているということだ。

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