御坂くん、溺愛しないで。
そんな彼のことを見たいなと思い、恐る恐る御坂くんのほうを見ようとしたけれど。
「ダメです先輩、見ないでください」
「……っ、ごめんなさい」
すぐ御坂くんに止められてしまい、結局顔を背けたままじっとする他なかった。
そしてある程度時間が経つと落ち着いたのか、御坂くんに声をかけられる。
「先輩、もう大丈夫です。
帰りましょう」
「あ、はい…帰ります」
ようやく御坂くんを見ることが許された私。
もちろん私が見た時にはもう、いつもの御坂くんだったけれど。
やっぱり照れ顔が見たかったな、なんて。
「コンビニで何買うんですか?」
「えっ…」
私たちも校舎を後にし、裏門への道を歩いているとなるべく触れてほしくない話をされてしまう。