御坂くん、溺愛しないで。



どうしよう、このまま何も答えなければ嘘だと思われてしまう。


「あ、コンビニ限定の、その…アイスが食べたくて」


もちろんアイスなんて食べるつもりはなかったけれど、コンビニと言えば限定アイスやお菓子、飲み物と答えるのが無難だろう。

それにアイスなら限定モノが絶対あるため、迷わずそう答えたのである。


「そうなんですね、最近暖かくなってきたんでアイス食べたくなるのわかります」

「これから暑くなるって思ったら嫌だね…!
アイス食べすぎには注意しないと!」


御坂くんは私の嘘を簡単に信じてしまったため、少し罪悪感があるけれど。

このまま乗り切ろうと思い、裏門へと目指して歩く。


少し歩き進めると、ようやく普段体育の授業で利用している体育館が見えてきた。

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