御坂くん、溺愛しないで。
先ほどまで彼に怯えていたから気づかなかったけれど、琴葉を見れば見るほど確信へと近づいていく。
これは絶対間違いない。
少なくとも琴葉は彼に好意を抱いている。
「そうだよなぁ…おっ、じゃあせっかくだし木原ちゃん、仲良くしようぜ。多分俺と席前後だろうし」
琴葉に春が訪れたのかと嬉しく思っていると、突然彼に声をかけられてしまった。
あまりに急なことで、また固まってしまう私。
どうしていきなり私に話しかけてきたのだ。
せめて琴葉だけと話していてほしかった。
先ほどまでの嬉しい気持ちは何処へやら、途端に恐怖心が自分の中で芽生えて。
「木原ちゃん?」
怖い、無理だ彼のほうを向けるわけがない。
思わずぎゅっと目を閉じると、琴葉が助けてくれた。