御坂くん、溺愛しないで。



「……大丈夫じゃないよ」
「えっ」

「御坂くん、無理して笑わないで。
苦しくなるだけだよ」


そこまでして笑ってほしくない。

御坂くんが私を笑顔にしてくれたみたいに、私だって彼を自然に笑わせてあげたい。


「……あっ」


そこである考えを思いついた私。

バスケに苦い思い出があるのなら、楽しい気持ちを思い出してもらえばいいのだ。


「御坂くん!」
「……何ですか?」

「バスケしたい!」
「え…」

「御坂くんとバスケがしたいです!」


運動が苦手な私がバスケをできるとは思えないけれど、ここは挑むしかない。

バスケというスポーツに、頑張って挑戦するのだ。


「俺と、ですか…?」
「そうだよ!決めた!御坂くんとバスケする!」


私の勢いに圧倒された様子の御坂くんは、拒否することなく。

御坂くんの家から近い公園にはバスケットゴールが付いているらしく、そこでバスケをすることが決まった。

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