御坂くん、溺愛しないで。
「そうと決まれば早速私の家にどうぞ…!
親もいないから大丈夫」
「せ、先輩!」
「どうしたの?」
私なりにいい考えが浮かんだと思っていたけれど、なぜか御坂くんに呼び止められてしまう。
「両親がいないならなおさらダメです」
「えっ…」
「俺はここで待ってるんで着替えてきてください」
「どうして!」
家の前で待ってもらうのは悪い。
「先輩、俺男って言いましたよね」
「だから何!御坂くんも家に入るの!」
「待ってください、先輩腕が…」
「外で待たせるのは嫌!決まり!」
まだ断ろうとする御坂くんだったけれど、私だって折れるわけにはいかない。
ただでさえ家まで送ってくれたのだ。
そのため私は御坂くんの腕を掴み、グイグイ引っ張るという強引な手段に踏み切る。