御坂くん、溺愛しないで。
けれどスポーツができそうな顔ではないため、着たところで似合わない。
こんな姿を御坂くんに見られるのは恥ずかしいなと思いつつ、タオルと水筒が入る小さな手提げカバンを持って下へと降りた。
「……あっ」
それから水筒のお茶を補充したところで、自分の髪が邪魔なことに気がついた。
後ろでまとめようと思った私は洗面所に行き、そこにあるゴムを片手に髪を束ねた。
「御坂くん、ごめんねお待たせしました!」
思った以上に時間がかかってしまったため、御坂くんに謝りながら駆け寄る。
彼は先ほどと同じ立った状態で待っており、私を見るなり固まってしまった。
「……御坂くん?」
「あっ、いや…」
私が名前を呼べばハッとし、なぜか顔を背けられてしまう。
「御坂くん、さっきから様子が変だよ」
「……っ、すみません…先輩が、新鮮で」
「へ?」
「学校以外でもこうして関われて、嬉しいなって」
今の御坂くん、すごい頬が赤い。