御坂くん、溺愛しないで。



「怖がってくれないと欲が出てしまいます」
「欲…」

「なので少しは警戒してください」


頭に置かれている御坂くんの手が滑るように下へとおり、私の頬に添えられた。

こんな風に触れられるのは初めてで、怖いという感情の代わりに恥ずかしさが胸に広がる。


何だろう、これ。
すごく恥ずかしくてドキドキする。

このような触れられ方は親や琴葉にもされたことがないため、初めてで自分の頬が熱を帯びていくのがわかった。


「あ、の…御坂くん」

ゆっくりと顔を上げて御坂くんを見れば、彼は満足そうな笑みを浮かべている。


「照れてますね、先輩」
「……っ」

「どうしてそんなにかわいいんですか」
「そんな、こと…」


冗談なのかもわからない言い方をしてくるものだから、なおさら恥ずかしさが増す。

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