御坂くん、溺愛しないで。




御坂くんの家から五分ほど歩くと、バスケットゴールのある公園が見えてきた。


「御坂くんは着替えなくてよかったの?」

そして公園に着いたところで、制服姿の御坂くんに聞いてみた。


「はい、別に動きにくくないんで」
「そっか」
「はい」


学校を出てしばらくは暗い表情をしていた御坂くんだったけれど、今は明るく優しい雰囲気を醸し出していた。

なんだか吹っ切れているようにも見える。


そんな御坂くんはシャツの腕を捲り上げ、ネクタイを解いた。


その姿が絵になるほどかっこよく、思わず見惚れてしまう。

琴葉もバスケをしている時はいつにも増して真剣でかっこいい。


スポーツをしている人はキラキラ輝いているのと同時に、とてもかっこいいと思う。

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