御坂くん、溺愛しないで。
「私も御坂くんと会うまでは男の人が怖くて、琴葉に克服だ!って言われた時は恨みたくなったけど…今は受け入れてて良かったって思う。
だって相手が御坂くんだったから」
少し、いやかなり琴葉に感謝している。
こんな素敵な人に出会えたのだから、私だって克服を諦めるわけにはいかない。
「……っ、その発言はずるいです先輩」
「御坂くん?」
「そろそろ帰りましょうか。送ります」
気のせいだろうか。
御坂くんの頬が赤く染まっているように見えるのは。
オレンジ色の夕日が私たちを照らしているから、ただ赤く見えるだけかもしれない。
「お、送らなくていいよ!」
「ダメです、送ります。
それに日も沈んでいるので危険です」
「うう…」
心配性の御坂くんは最後の最後まで優しさを見せてくれて。
結局私は御坂くんに甘えて家まで送ってもらうことにした。