御坂くん、溺愛しないで。
それにバスケの話をしている御坂くんは少年のような表情をしていて、キラキラ輝いているのだ。
『会いたい』だなんて口が裂けても言えない。
御坂くんを困らせてしまうだけである。
「でも本当は理玖との時間が減って嫌だ?」
「……うん、寂しい」
「もうかれこれ一ヶ月だからね、そう思うのも無理ないよ。思い切って言ってみたら?」
「そ、そんなの迷惑かけるだけだよ…!」
バスケに打ち込みたい彼に私のわがままは邪魔になるだけに違いない。
「でも咲から言わないと変わらないよ?
向こうも迷惑かもしれないって思ってるみたいだし」
「え、どういうこと…?」
「さあ、本人に聞けば?」
「そんなの聞けないよ…」
「いいの?バスケ始めてからより一層理玖の名が広がってるけど」
その言葉にギクリとする私。