御坂くん、溺愛しないで。



けれど過去に戻れるはずがなく、御坂くんにほとんど聞かれてしまったのだ。

恥ずかしくてたまらない。


また琴葉を恨みたくなる中、それ以上に昼休みをどう切り抜けるべきかとすでに頭の中で考え始めている自分がいた。


絶対に御坂くんと接触してはならない。

もうしばらくは御坂くんのことをまともに見れないことだろう。


「この際本音を言えばいいんだよ。
理玖も嬉しそうだったし」

「絶対に嘘!絶対に迷惑だった!
ああもう琴葉なんて嫌いだ…」

「理玖と話せばわかるよ、どれだけ嬉しかったか」
「話す前に逃げます!」

「それは何としてでも阻止するからね」


私だってなんとしてでも逃げるつもりだ。

本音を聞かれてしまった以上、避け続けるしか方法はない。


こうなればお弁当と水筒を持って食堂や中庭に行き、ひとりで食べるほうがマシだと思った私は絶対に逃げるぞという決意をした。

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