御坂くん、溺愛しないで。
恐る恐る顔を上げれば、そこには見覚えのある男の人たちが私の元へと足を進めていた。
「木原咲ちゃんだよな?
ほら俺たち覚えてねぇ?」
「結構前だけど帰り道に会ったバスケ部二年だよ、その時は秀太もいたけど…今はトイレに行ってるから呼べばここに来るし!」
「二年で飯食おうってなってるから、良かったら君も一緒に……」
勢いよく首を横に振る。
それ以上近づかないでほしいと願うけれど声が出ない。
せめて同じバスケ部である筧くんがいてくれれば、なんとか話せたかもしれないけれど。
まったく話したこともない男の人たちだと、まだまだ無理みたいだ。
「なあ、めっちゃ怯えられてねぇ?」
「確か前もこんな風に恐れられたような…」
もう一度うつむき、スカートを震える手でぎゅっと握る。
そろそろ限界だ、耐えられそうにない。